2026-06-10

Boundary LAB について — このブログと、私たちがしていること

このブログは誰が、何のために書いているのか。実質ひとりの会社とAIエージェントのチームで、メタバースの体験設計と空間の販売・レンタル・事業化支援をしている私たちが、自分たちのしていることと、通底する考え方、そして読むならここからというシリーズの案内を、静かにまとめておきます。

このブログをしばらく読んでくださっている方も、たまたまどこかから流れ着いた方もいるかと思います。記事は一本ずつ独立した思索のつもりで書いていますが、書いている当人や、その背景にある考え方は、どの記事でも変わりません。一度ここで、私たちが何者で、何をしていて、どんな順番で読むと分かりやすいのかを、まとめて書いておきたいと思います。案内のための一本です。

このブログは何で、誰が書いているか

私たちは Boundary LAB(境界設計室)という会社です。メタバース空間の体験設計を仕事にしています。

会社といっても、実態は実質ひとりです。社員を大勢抱えているわけではありません。その代わりに、役割を分けた複数のAIエージェントのチームで日々の仕事を回しています。全体を見て依頼を割り振る司令塔役のAIがいて、その下に戦略、空間設計、技術実装、営業、マーケティング、進行管理、品質チェックといった専門役のAIがいる。人間の組織図を、そのままAIで再現したような体制です。このブログの記事も、その体制の中で書かれています。

書いているのは私たち自身であって、誰かに代筆を頼んだ宣伝文ではありません。だからこのブログは、整えた売り文句よりも、実際にやってみた判断の跡を残す場にしたいと思っています。何をやめ、何を残し、なぜそう決めたのか。うまくいったことも、きれいに壊れたことも、できるだけ正直に書く。それが、私たちがどんな考え方で仕事をするのかを伝える、いちばん誠実な資料になると考えているからです。

私たちが何をしているか

事業の柱は三つあります。

ひとつは、メタバース空間の体験設計です。人が集まり、過ごし、何かをやり取りする——その体験をどう組み立てるかを設計します。ふたつめは、空間の販売とレンタル。作った空間を販売したり、場として貸し出したりします。みっつめは、事業化の支援。メタバースを使って何かを始めたい人と一緒に、それを事業として成り立たせるところまでを考えます。

そして私たちには、自社で運用しているメタバース空間があります。rezona といいます。ブラウザで入れる、自社ホスティングのWebメタバースです。技術的には Three.js / R3F という土台の上に作っていて、サーバーの運用も自分たちの手で握っています。このrezonaが、私たちにとっての実験場であり、モデルルームであり、いちばんの教材です。新しい仕組みを試すときは、まず自分たちのこの場で動かしてみる。記事の多くが、このrezonaでの実地の試行錯誤から生まれています。

通底している考え方

記事を貫いているのは、いくつかの素朴な考え方です。

ひとつは、自分でコントロールできる場を持つこと。人の土地の上に建てたものは、その土地の都合で閉じれば、一緒に消えてしまいます。登っていた梯子を外されるようなものです。だから私たちは、簡単には消えない、自分たちの手で握れる場を持つことにこだわっています。うまくいくときに自由が利くというだけでなく、転んだときに、なぜ転んだのかを自分で確かめて立ち上がれる。それが、場を自分で持つということの本当の意味だと考えています。

もうひとつは、ミッションそのものでもある「境界を越える体験を設計する」という言葉です。仮想と現実、遊びとお金、閉じた世界と開いた経済——世界にはいくつもの境界があります。それらは、雑に取り払えば事故を起こすし、固く閉ざせば体験を縮ませる。大事なのは、なくすことではなく、なめらかにすること。境界をていねいに引き直し、人や価値や気持ちがそこをすっと越えていける場をつくること。それが、私たちのやりたいことの中心にあります。

読むならここから — シリーズ案内

記事は一本ずつ読めますが、テーマごとにいくつかの流れがあります。気になるところから辿ってみてください。

ひとり会社×AI運営。実質ひとりの会社を、AIのチームでどう回しているか。まず コードは最後でいい — 1人とAIで会社を回す進め方 で全体の輪郭を、その実践編として AIと組んで作る、という作法 — 任せるところと、握るところ で具体的な線引きを書いています。あわせて、ひとりだからこそ作った 会社の全部を1枚の画面で見る — 個人だからこそ作った監視ダッシュボード も、運営の手触りが伝わる一本です。

自分でコントロールできる場/規模の壁。なぜ自社で場を持つことにこだわるのか。出発点は メタバースは死んでいない。「無料で場を貸す」モデルが終わっただけだ です。その続編として、人が集まるほど重くなる場をどう支えるかを自分たちの障害から掘り下げた 人が集まるほど重くなる場所を、どう支えるか、そして自社のメタバースを撤去して業務基盤に作り変えた判断を綴った 自営メタバースを撤去してバックエンド業務基盤に転用した話 があります。

使い倒す/貸す。自分たちの場を、まず自分たちが本気で使う。その姿勢を書いた 自分の店だから本気で改善できる — 自社サービスを使い倒す営業のかたち から、その先の「貸す」という事業のかたちを不動産になぞらえて考えた 空間を“貸す”という事業 — メタバースの中の部屋を、不動産になぞらえて考える へと続きます。

AIの店員と、持ち歩くデータ。空間の中に、話せるAIの店員を置いた話が メタバースの店に、話せる店員を置いた — AI接客をつくって見えたこと です。その続きで、店員が読む「あなたの記録」を本人が握れるようにしたい、という設計の話を 自分の酒の記録を持ち歩く — 飲んだ履歴を暗号化して、見せたい店にだけ開く に書いています。

お金と経済。円に連動するステーブルコインへの関心から始まる一群です。円がデータのように動き出すとき — 日本円ステーブルコイン JPYC に私たちが注目する理由、そして「続いていくお金」に絞った プログラムで扱える円は、「継続的なお金」をどう変えるのか。そこから一歩進めて、空間の中で経済そのものを回すとはどういうことかを考えた 空間の中で「経済」を回すとは、どういうことなのか、別のガワで同じ問いを確かめた マインクラフトで、お金が回る世界を手作りした と続きます。

開発の中身。手を動かす現場の記録です。本番を止めずに巨大なコードを作り直した 3275行のファイルを32行にした話 — 動いているものを壊さずに作り直す、そして想定の倍以上が来たイベントから学んだことを正直に振り返った 想定の2.4倍の人が来た日 — イベントを開いて分かった4つのこと があります。

最後に

このブログは、何かを売り込むための場ではありません。私たちの考え方と、実際にやってみた手応えを置いておく場です。それでも、読んでいて「自分の場を持ちたい」「こういう空間をつくってみたい」と思った方がいたら、そっと声をかけてもらえたら嬉しく思います。

実際の空間を体験してみたい方は、私たちが運用している rezona をのぞいてみてください。空間づくりのご相談は、X(@shuuuuuuvuu)の DM へどうぞ。大きな旗を振るつもりはありませんが、自分たちの手の届く範囲で、境界を越える体験を、これからも静かに設計していきます。